World Chronicle / Battle Record 041

ジモーネVSバーサ

ジモーネジモーネ・クライン
VS
バーサバーサ・クリヴォフ

バーサはフルヴィアに対して剣を振り上げて構えた。 「ははは。・・・フルヴィア・・・悪く思うなよ。 今の私は自制できない・・・。」 「う・・・」 フルヴィアは苦悶の表情を浮かべてバーサを見ている。 「その眼・・・私と剣を競い合ってきたジモーネ。 同じノシアス軍隊の同期なのに・…

Compiled Battle Record

導入と決着

戦闘記録 041

導入

バーサはフルヴィアに対して剣を振り上げて構えた。
「ははは。・・・フルヴィア・・・悪く思うなよ。
今の私は自制できない・・・。」
「う・・・」
フルヴィアは苦悶の表情を浮かべてバーサを見ている。
「その眼・・・私と剣を競い合ってきたジモーネ。
同じノシアス軍隊の同期なのに・・・
いつもお前はジモーネばかり見ていた。
・・・気に食わなかった・・・」
「・・・バーサ・・・私はジモーネを・・・信じているわ」
「ちっ・・・この期に及んでジモーネジモーネ
・・・もういい・・・ここでお前を仕留めて・・・
私も・・・この国を去る・・・それで終わりだ」
フルヴィアはゆっくりと目を閉じた。
「じゃあな・・・フルヴィア」
バーサは剣を振り下ろそうとしたその瞬間
・・・
・・・
背筋に寒気が走る
・・・
・・・
バーサは慌てて寒気の方向、背後を振り返った。
離れた場所にジモーネが立っていた。
「じ、ジモーネ・・・貴様・・・」
ジモーネは隆々とした肉体を携えた
ゆっくりとバーサとフルヴィアの場所に近づいてくる。
「ジモーネ・・・」
フルヴィアは最後に口に出すと安らかに眠るように意識が飛んだ。
その口元は笑っている。
「貴様・・・」
バーサはジモーネに剣を向けた。
「何をしに来た!アームストンに負けた敗者め!」
その瞬間ジモーネがバーサの視界から消えた。
「な?」
気が付けばバーサの隣にジモーネが立っており、
ジモーネはバーサの頬に俊足のビンタを与えた。
「がっ」
バーサはジモーネから距離をとった。
「いつの間に・・・」
ジモーネは屈んで倒れているフルヴィアをゆっくりと抱え上げた。
「ははは。残念だな!もう少しお前が来るのが遅ければ
確実に止めを刺してやったのにな!」
ジモーネはバーサに背を向けて歩き、近くで見ていたフルヴィアの部下に近づいた。
「フルヴィア様!フルヴィアさまぁ!」
フルヴィアの部下は半泣きで近寄ってきた。
「フルヴィアを頼みます・・・」
「ジモーネ様・・・」
ジモーネは振り返りバーサを狂気の表情で睨みつけた。
バーサは一度も見たことないジモーネの表情にたじろいだ。
「っ・・・め、珍しいな。貴様がそこまで怒りを見せるなんて」
ジモーネは二刀流を大きく振りぬくと刀から衝撃波が飛び出しバーサを目掛けた。
「!」
バーサは距離を取った。
「・・・ジモーネッ!」
「いくぞ・・・バーサ!」
ジモーネはバーサを目掛けて突進した。

決着

バーサはわかっていた。
いつものとジモーネと違う。
ジモーネが普段持っているような
最初は様子見、
出来るだけ相手を傷つけないように戦いを進めていこう、
という甘い算段、バーサが最も嫌いな行為。
ジモーネも強さを認めていないわけじゃない、
その他者を慮る甘さが大嫌いなのだ。
「ジモーネ!楽しませてみろ!」
バーサの突きをジモーネは素手で掴んでバーサの懐に飛びこんだ。
「な、なんだと!」
ジモーネはもう片方の腕の肘でバーサの顔を激しく打ち付けた。
「があっ・・・」
バーサは後ずさった。
頬は内出血、唇を切って血を吐き出した。
ジモーネの手には血が流れている。
「じ、ジモーネ・・・」
バーサは自分の頬を押さえながら悪魔のような笑みを浮かべた。
「ジモーネ!やればできるじゃないか。そうだ!全力で私を壊しに来い!」
バーサは再びジモーネに急接近をした。
「この攻撃を受けて見ろ!」
バーサは両手の剣を真横に構え回転切りを放った。
ジモーネはじっとバーサを睨んでいる。
「死ねっ!ジモーネ!」
・・・
ジモーネはバーサの二刀流を両手でしっかりとつかんでいた。
「ば・・・馬鹿な・・・」
ジモーネはバーサの顎めがけて真下から蹴り上げた。
「があっ・・・」
バーサはそのまま真後ろに倒れた。
「じ、ジモーネ・・・すごい・・・」
上半身を起こしてみているフルヴィアがつぶやいた。
ガラガラガラ
瓦礫の中から立ち上がったバーサが頭を押さえてふらふらしている。
「くくく・・・戦いはこうでないと・・・」
バーサは以前にもまして殺気を膨らませている。
バーサは瓦礫をひとつ持ちあげてジモーネめがけて投げつけた。
ジモーネは瓦礫をその剣で上に切り上げた。
バーサの姿がない。
バーサは瞬時にジモーネの真横に移動しており、
バーサの鋭い蹴りが脇腹にめり込んだ。
「くっ」
ジモーネは吹き飛ばされ壁に突っ込んだ。
「はぁ・・・はぁ・・・これでおあいこだ・・・」
ジモーネは瓦礫を掻き分けると同時に
バーサに体当たりした。
バーサは剣で防いだが下方からのジモーネの蹴りを側頭部に受けた。
バーサは再び瓦礫のほうに吹き飛ばされた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
ジモーネの息が切れている。
「はははぁ!楽しいなジモーネ!」
大声ともに再びバーサが瓦礫から立ち上がった。
◆ ◆ ◆
まさに互角だった。
ジモーネの攻撃が当たるとバーサの攻撃が当たる。
時間が経てばたつほどお互いが疲弊していくのが手に取るようだった。
「はぁ・・・はぁ・・・ジモーネ・・・この死にぞこないが」
「はぁ・・・はぁ・・・バーサ・・・引きなさい」
ジモーネが初めて会話らしい会話をした。
「!ジモーネ・・・ようやくお目覚めか・・・?
今まで無意識で戦っていたようだぞ?」
「・・・あなたを止めて見せます」
「ふん・・・フルヴィアと同じことを言うじゃないか。
いいさ・・・次で終わりにしよう。
私もそんなに余裕はない・・・お前ほどじゃないがな」
バーサはボロボロの格好を吹き飛ばすように
全身に力をため今まで以上の殺気を放った。
ジモーネも合わせるように力をためた。
「行くぞジモーネ、これで終わりだ」
バーサの渾身の一撃!
ジモーネの渾身の一撃!
防御はない。
二人の意地の攻撃が衝突し大きな衝撃波を生んだ!
・・・
・・・
・・・
ドサッ。
二人が倒れたのは同時だった。
「ジ、ジモーネっ!・・・」
フルヴィアが決死に叫んだ。
・・・その瞬間、ゆっくりと立ち上がった。バーサだ。
「あ・・・が・・・くっ・・・まともに動けそうにない・・・」
ジモーネは上半身を起こしたが立ち上がれない。
「はあ・・・はあ・・・」
バーサはジモーネを見ながら言った。
「はあ・・・はあ・・・まだ意識があるのか・・・
しぶとい奴だ・・・」
バーサはゆっくりと背中を向けた。
「運がいい奴め・・・お互い意識があるのがやっとのようだ。
ジモーネ・・・お前がそれなりに戦える奴だとわかったのは収穫だ。
勝負は次に預けるとしよう・・・」
バーサがふらふらとその場から出ていくと
緊張の糸が切れたかのようにジモーネはその場に倒れた。
「お、おいジモーネ様を医務室まで・・・急げ!」
「ジ、ジモーネ・・・・」
フルヴィアはほふく前進でずりずりと進んでいる。
「さ、フルヴィア様も行きましょう」
その場に安堵の空気が広がった。
その時、
「軍事院アデラ・ヘーグマン様が到着されました!」