World Chronicle / Battle Record 039

メルツェーデスVSイマ

メルツェーデスメルツェーデス・アダー
VS
イマイマ・ファン・ローイ

ノシアス共和国とアームストン王国の 北部境界域の近く 岩山と森林が入り混じる荒廃したエリアに 二人の女が向かい合っていた。 ノシアス共和国のメルツェーデス・アダーと アームストン王国のイマ・ファン・ローイが 向かい合って見つめあっていた。 「久しぶりですね」 「・・・そうだ…

Compiled Battle Record

導入と決着

戦闘記録 039

導入

ノシアス共和国とアームストン王国の
北部境界域の近く

岩山と森林が入り混じる荒廃したエリアに
二人の女が向かい合っていた。

ノシアス共和国のメルツェーデス・アダーと
アームストン王国のイマ・ファン・ローイが
向かい合って見つめあっていた。

「久しぶりですね」
「・・・そうだな」
「・・・不安でしたのよ。
本当に来てくれるかどうか。
シークレットなルートであなたに連絡をとりましたから。」
「どういう風の吹き回しかと思ったよ。」
「ふふ。今のノシアスとアームストンは
気持ちの良い緊張状態に包まれていますわ。
うちの軍事院のまとめ役でもあったジモーネから
アームストン対応のための招集を受けていましたのよ。」
「・・・」
「そしたら、まさかあの冷静なジモーネが勝手に
アームストンの大公に挑戦を申し込んで、
・・・無様に敗退したとの連絡をうけましたのよ。
もうアームストン対策はむちゃくちゃですわ。
そこで、以前刀を交えたあなたのことを思い出しました。」
「どうやらそのようだ。私の同僚のマオ・アナンディーンというものが
そちらのジモーネ殿と交えたらしい。」
「ねえ・・・あなたはアームストン最強?」
「さあな・・・興味がない。」
「以前話していた恨みを晴らしたい剣士・・・見つかったのかしら?」
「・・・いや」
「私は強くなりましたわよ?同僚のジモーネには申し訳ないですが
純粋に刀を交えたら私のほうが圧倒的に強いと思いますわ。」
「・・・それも私には興味が無いな」
「私は興味がありますわぁ。あなたがもしアームストン最強ならば、
あなたを倒すことができれば私はもっと大きく前進することができるはず」
イマはため息を吐いた。
「そんなことのために私を呼んだのか?」
「そうね」
「悪いが私には興味がない。帰らせてもらう」
「・・・あなたの仇の剣士・・・見ましたわよ」
メルツェーデスの言葉にイマの目つきが変わった。
「なんだと?」
「以前あなたの話を聞いた時の内容を覚えていたの。
全身からあふれるオーラ、紫の光る目つき、銀色の髪。」
イマは真剣な表情でメルツェーデスを見つめた。
「教えてくれるわけではなさそうだな」
「ふふふ。別に教えても良いですわよぉ。
その前に。今の私の実力を知りたいですわぁ。
私があなたより強かったら、ノシアスだけでなく
アームストンでも最強の剣士として、
私があなたの仇の剣士を倒してあげますわ♡」
「私の仇は私が倒す・・・」
イマは剣を静かに抜き殺気を放った。
「ふふ。相変わらずいい殺気ですわ。
私も以前戦った時とは違いますわよ。」
メルツェーデスは刀を抜き取り目にも止まらず
スピードで振り回した。
「ノシアスとアームストンのいざこざとは別。
私はあなたを倒して最強になるための戦い。
付き合って頂きますわよ!」
メルツェーデスは体制を低くしてイマに突進した!

決着

メルツェーデスの瞬足の身のこなしはイマとの距離を瞬時に詰めた。
しかしイマは最小限の動きでメルツェーデスの切先を弾き飛ばした。
メルツェーデスは一瞬、苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべたが、
すぐに嫌味な笑いを浮かべイマに追撃を加えた。
「イマ!針の筵にして差し上げますわ!」
メルツェーデスの目にもとまらぬ切先は分身のように残像を纏い
イマに襲い掛かった。
しかしイマは目を細めて下を向いた。
キンキンンキンキンキン・・・
「な・・・なんですって・・・?」
メルツェーデスの切先をその視界に入れずに
すべての突撃を自らの剣ではじき落とした。
・・・
「まさか・・・私の技が・・・」
イマはあっけにとられたメルツェーデスに対して
メルツェーデスがやったのと同じような技を繰り出した。
「くっ!」
メルツェーデスは防戦を試みたが
イマの冷徹で容赦のない攻撃は
メルツェーデスの油断を見逃さなかった。
「くっ・・・うっ・・・いやっ・・・・ああああああ!」
メルツェーデスは全ての攻撃を受けきることができず吹き飛ばされた。
メルツェーデスは地面に仰向けに倒れた。
イマは下に落としていた視線をゆっくりとメルツェーデスのほうに向けて
無表情のまま言った。
「メルツェーデス・・・本気で来い・・・期待外れだ」
メルツェーデスは瞬時に飛び上がり体制を立て直した。
イマの憐れみを含んだ言葉にメルツェーデスは怒りの表情を浮かべた。
「私を・・・そんな目で見ることは許しません・・・忌々しい女ですわ。
・・・良いでしょう本気を出しましょう」
メルツェーデスは持っていた剣の変わりに
針のような極めて細いサーベルを取り出した。
「・・・さっきより数倍早くなりますわよ・・・」
メルツェーデスは細いサーベルを左右に揺らすと慣性の力で
その剣はメトロノームのように左右に揺れ続けている。
「それは・・・」
イマが慎重に観察しているとメルツェーデスは叫んだ。
「さあ!行きますわよ!」
メルツェーデスが一瞬にしてイマとの距離を詰めると、
サーベルをイマに突き出した。
イマは避けた、が左右に振れるサーベルが今の肉体を切り裂いた。
「うっ!」
イマのボディスーツが破れ傷が露出した。
イマはゆっくりと傷に手を当てた。
「あはははは!どうかしら?私の本気は!まだまだ尽き刺しの刑にしてあげますわ!」
◆ ◆ ◆
メルツェーデスはイマに対してなんども突きを繰り出した。
切先がランダムに変化するメルツェーデスの特殊な剣は
イマの防御をかいくぐりダメージを与えた。
「はぁ・・・はぁ・・・どうかしらイマ?私の剣は・・・」
「・・・そうだな・・・期待はずれだな」
その言葉にピキっと血管が切れるような音を感じたメルツェーデスは
全速力でイマに対して突っ込んでいった。
「おのれぇ!このノシアス最強の私を侮辱してぇ!
逝きなさいイマアァァァァ!!!!!」
メルツェーデスの先が揺れる剣の根本の部分をイマは二刀流の剣で挟み込んだ。
剣先がイマの肩に突き刺さった。
「手ごたえあり!逝きなさい!」
その瞬間、イマはメルツェーデスの剣の根元から二本の刀で
はさみ上げるように切り上げた。
するとメルツェーデスの細い剣は根本から折れた。
「なっ・・・そ・・・そんなっ・・・」
剣が折れて愕然とするメルツェーデスに対して
イマは体制を低くしてその場にしゃがみ込んだ。
「はああああっ・・・・」
イマは全力で地面を蹴り出しメルツェーデスにぶつかっていった。
「がはっ!」
「耐えてみろ私の技を・・・」
イマは二刀流の斬撃をイマに与えた。
「がっ・・・やっ・・・・あああっ・・・・・ああああああああああああああ!」
「はああああああああああああああああああああああああ!」
「きゃあああああああああああああああああああ!」
メルツェーデスの体は宙を舞った後、地面に叩き落とされた。
仰向けのメルツェーデスは無表情で空を見上げている。
「・・・見事ですわ・・・イマ」
「驕ったな・・・メルツェーデス」
「これが私の実力ですわ・・・」
「もう行く・・・」
イマは後姿を見せて立ち去ろうとするとメルツェーデスが仰向けのまま言葉で制止した。
「ま、待ちなさい・・・約束ですわ。
貴方の探している騎士について・・・
銀髪の騎士、体中の斑点からあふれるオーラ、圧倒的な強さ・・・
その特徴の騎士がエル・ユグドラシル連邦とアル・イルミンスール連邦の間で
両国の戦いの最中に現れたそうよ・・・ずっと戦争をしているアルテリア大陸南部の二つの大国ね」
「なぜ・・・そんなことを知っているの」
「私は大陸に広がるギルド”ルーメン・カエルム”と連絡を取っているからね。
そこからの情報よ・・・連邦の中にも情報局があるわ」
「・・・」
「あなたは仇を打ちたいって言ってたわね・・・」
「ああ・・・」
「誰?」
「・・・」
「大事な人だったみたいね・・・」
「もう行く・・・」
「そう・・・健闘を祈るわ」
イマは消えるようにしてその場を離れていった。
・・・
メルツェーデスは仰向けで倒れたまま空に向けて言った。
「あの目は・・・アームストンの大公様が一人いなくなる・・・のね。」