World Chronicle / Battle Record 032

ロズリーヌvsグレータ

ロズリーヌロズリーヌ・ニコル
VS
グレータグレータ・マイヤーハイム

オリハルト城前 「すっごい城壁ねぇ。オリハルトってやっぱり武装国家なんだ」 「そうみたいだね。よく知らないけど」 「よく知らないって、あんたそれでも将軍?」 「まあ・・・」 「なんで将軍になれたのよ?」 「長い間オリハルトと因縁のあった盗賊団を壊滅させた時に メイさんに認め…

Compiled Battle Record

導入と決着

戦闘記録 032

導入

オリハルト城前
「すっごい城壁ねぇ。オリハルトってやっぱり武装国家なんだ」
「そうみたいだね。よく知らないけど」
「よく知らないって、あんたそれでも将軍?」
「まあ・・・」
「なんで将軍になれたのよ?」
「長い間オリハルトと因縁のあった盗賊団を壊滅させた時に
メイさんに認められて将軍になったの」
「あんた・・・すごいことさらっと言うわね」
ロズリーヌとレーナはオリハルトの城門隣の詰め所を訪ねた。

「レーナよ。開けてちょうだい」
(これはこれは!レーナ将軍!お帰りなさいませ!
今すぐ開城致します!)
「へぇ・・・あんたやっぱり将軍なんだ」
(そちら様は・・・?)
「この人は私の知り合いです。メイ将軍にお目通しを・・・。」
(そうですか・・・。最近軍の幹部オーディションが行われ、
その中に我が国のことを敵であると公言したものがおりました。
今後も攻撃を行う、と。現在、警戒中につき、いくらレーナ様といえど
許可が下りるまで、お付きの人をお通しすることはできません。)
「え?幹部オーディション?」
「あはは。あんた忘れられたんじゃないの?」
ロズリーヌは意地悪く笑ったが、レーナが深刻そうな顔をしていたので取り直した。
「じょ、冗談よ冗談・・・」
「・・・それではメイ将軍、もしくはブリジット姫様、あとカミラ・・・さんにお伝えください。」
「カミラってあんたが負けたおばさんね。」
「・・・」
「じょ、冗談よ冗談・・・」

そんなやり取りをしていると
城門前に馬車が止まった。
馬車から食料と思われる荷物を抱えたグレータが出てきた。
「おーす。レーナー。」
「グレータさん!」
「誰このメイド?」
「給仕長のグレータさん。元将軍。今は第一線からは退いているの」
「元将軍?この人が?」
「なんか突っかかるな。レーナ誰こいつ?」
「こいつ?私はロズリーヌよ!」
「おーそうか。ロズリーヌ。レーナ、こいつ何をやらかしたんだ?
捕まえてきたんだろ?」
ぶちぶちぶち
「ちょっと!私はレーナのお姉さんよ!」
「え・・・?そうなの?」
「違います!っていうか・・・ん~違うのかな?」
「なんだよそれ」
「そ、そんなことよりグレータさん!幹部オーディションって?」
「ああ。姫様とメイが体制強化のために幹部を増やすんだと。
そのためにオーディションがあってさ、ヤバいのが何人も来たのよ。
新しい幹部も一人決まったのよ。あと幹部じゃないけど部隊長、兵隊でも何人か採用した。」
「そ、そうなんですか・・・」
「何やってんのこんなところで?」
「メイさんにこのロズリーヌちゃんを紹介したいの」
「へ?なんで?」
「強いから仲間に入れようと思って」
「私はレーナと幼馴染よ」
「ふーん・・・ま、私は関係ないか。
部隊増えて作る飯の量が増えるだけだしっ。じゃあな」
「グレータさん・・・お城に入れないんです」
「へ?なんで?アンタ一人だと入れるでしょ」
「あたしはどうすんのよっ!」
ロズリーヌは少しイライラしている。
グレータはロズリーヌを見て少し目を細めた。
「ははーん・・・さては、お前・・・面倒くさいな?」
「な、なんだとぅ!」
「ちょっとちょっとロズリーヌちゃん落ち着いて。」
「あんたメイドの分際で態度がデカすぎるんじゃないの!
なんでそんな恰好してんのよ!」
・・・
「ん"あ"あ"ああんっ!?」
痰がギュルギュルッと喉で音を鳴らしながらドスの効いた声が響いた。
何かに触ったようだ。グレータの眉間に血管が浮いている。
「関係ねーだろ!メイド服は仕事服なんだよ!
メイド服着てるからって誰もが
優しいマミーになるわけじゃねーんだよ!
こっちは王国軍全員の胃袋を背負ってんだよ!
今晩のスープにぶち込むぞごらぁっ!」
あまりの血相にロズリーヌは怯んだ。
「こわっ、なんなのこのおばさん」
ぶちぶちぶち
「おいこらピンクよ。剣抜け。いくら一線退いたからと言っても
その辺のなんちゃって剣士には超えられない壁があるぞこら」
「上等よ!中途半端に粋がらないように私が引導を渡してあげるわ!」
「ちょっとちょっと二人とも・・・(私もピンクだけど・・・)」

ロズリーヌが剣を抜いた瞬間、
グレータが部下に「米(ごぉめぇっ)!」と叫んだ。
それと同時に片手で抱えていた約50KGの米袋を空に軽々と投げると
部下のメイド達が3人がかりでそれをキャッチした。
グレータはウェストポーチに刺してあった短刀2本を抜き取ると
ヒュンヒュンと曲芸のように回し始めた。

周りにギャラリーが出来ていた。

レーナはあわあわしながらも途中から止める気はなかった。
見たかったのだろう。
「グレータさんが戦うの初めて見るわ・・・」

決着

メイドの分際で・・・
メイドの分際で・・・
メイドの分際で・・・
思い返すだけで腹が立つ。
そう言われるのが最もムカつくのだ。

グレータは分身して見えるほどの素早さで
何本ものナイフを投げつけた。
ロズリーヌはグレータの
鬼のような形相に怯みながらも
そのナイフを丁寧に撃ち落としていく。
「こわっ。なんなのよこの人!レーナ!」
「グレータさんは昔、暗殺部隊のリーダーだったんだよ」
「っ・・・暗殺・・・」
「レーナ!戦いに割り込むんじゃない!」
レーナはきゅっとなって黙り込んだ。
グレータのナイフがロズリーヌの衣装を破りまくっていく。
「くっ・・・なんて速い攻撃・・・。このっ!」
ロズリーヌが思いきり剣を振りぬくと
グレータは背中に抱えていた
大きな屠殺包丁でその攻撃を防いだ。
「太刀筋は悪くないけどお前は経験不足だ!」
グレータは思いきりロズリーヌの腹を蹴りぬいた。
「がふっ・・・きゃああああっ!」
ロズリーヌは吹き飛ばされその場に倒れた。
「ロズリーヌちゃん!」
レーナは思わず駆け寄った。
「レーナ!」
グレータはイライラして叫んだがレーナは聞かない。
「大丈夫?」
「なんなのよあのメイド。めちゃめちゃ強いじゃない」
「うん。以前はオリハルトで1、2を争うぐらいの実力者だって」
「そうなの?・・・参ったわね」
「おいごら!ピンク!続きやんぞ!」
グレータは叫んだ。
「ひとまず謝ったら?」
ぼそっとレーナはロズリーヌに声をかけた。
「許してくれる表情じゃないわよありゃ。
見てよレーナ。あの顔。ギーグ族の呪いのお面みたいじゃない」
レーナとロズリーヌはそっとグレータの表情を見た。
レーナとロズリーヌは顔を見合わせてぷっと笑った。
「なに人のこと笑ってんだお前ら!」
グレータは激高して包丁を投げてきた。
「きゃっ」
レーナは慌てて離れた。
「くっ・・・さあどうしようか」
◆ ◆ ◆
ロズリーヌはほぼほぼグレータに手も足も出ず、
息も切れてへとへとになっていた。
グレータも疲れているが怒りのボルテージはまだ消えない。
「はぁ・・・はぁ・・・こらピンク。
これが第一線から退いたメイドの実力だぞ。わかったかこら」
グレータはボロボロのロズリーヌに向かって言い放った。
「はぁ・・・はぁ・・・あんたが強いのは認めるわよ。
でも私だって万全だったら・・・」
その時、ぐるぐるぎゅる~~、と大きな音がなった。
ロズリーヌの腹の虫が鳴り響いた。
ロズリーヌは顔を赤らめた。すでに全裸だが。
グレータは剣をおろした。
「・・・ん?お前・・・食事は?」
「昨日の朝から一切取れてないわよ・・・なによ」
グレータは少し驚いた顔をした。
レーナがロズリーヌに近づいた。
「そういえばそうだったね。私たち昨日からずっと歩いて
ここまで来て休憩取ってなかったね。私ももう餓えそう」
グレータは黙っている。
「おいピンク」
「ロズリーヌよ!」
「ロズリーヌ。城にはまだ勝手に入れられないが詰所の奥に食事するスペースと
キッチンがあるから付いてこい」
ロズリーヌとレーナはきょとんとした。
「さっさと来い」
◆ ◆ ◆
ロズリーヌとレーナは詰所の食堂に通された。
ロズリーヌはほぼ全裸だったため更衣室で着替えた。
食堂の奥でグレータが調理をしだした。
「なんなのよ一体」
「グレータさんがご飯作ってくれてるみたい」
「情緒どうなってんのよ」
グレータがギロッと一瞬睨んだが、二人は目をそらした。
しばらくするとグレータが
大皿に入った料理を持ってきた。
「ほら。戦士たるもの空腹じゃ話にならんだろ。食え」
「・・・」
「グレータさんありがとう!」
レーナは叫んだ。
「・・・ありがとう。いただきます」
ロズリーヌは聞こえるか聞こえないかの大きさで礼を言った。
レーナとロズリーヌは大皿の食事を口にかきこんだ。
「おいし~い!」
「!うまい!」
二人は一心不乱に食事を食べ続けた。
「おいおらピンクども。
・・・メイドはスゲーだろ」
グレータは自慢げな笑みを浮かべた。