World Chronicle / Battle Record 020

アロンドラvsアデレイド

アロンドラアロンドラ・メルカド
VS
アデレイドアデレイド・エイムス

軍国アストマ アデレイド領 (アデレイド様!) 「ん?どうした?」 (遠方でガルガンティスの使いと名乗るものが訪ねて来ております) 「何?ガルガンティス?妙だな・・・」 アデレイドは腕組みをして考えてみたが思い当たる節はない。 そこにずしずしと足音が聞こえてきた。 「あの~…

Compiled Battle Record

導入と決着

戦闘記録 020

導入

軍国アストマ アデレイド領

(アデレイド様!)
「ん?どうした?」
(遠方でガルガンティスの使いと名乗るものが訪ねて来ております)
「何?ガルガンティス?妙だな・・・」
アデレイドは腕組みをして考えてみたが思い当たる節はない。
そこにずしずしと足音が聞こえてきた。
「あの~すみません。お尋ねしたいのですが」
「なんだ?貴様は?」
「僕は天帝国ガルガンティス十将軍のアロンドラと申します。玄武とか呼ばれています」
「ガルガンティスだと?外の衛兵はどうした?」
「ああ、すみません。ごめんなさい。本当は勝手にここまで入ってくるつもりはなかったんですが。
尋ねさせてもらったら急に襲い掛かってきたんですよ。
だから危害は加えていませんが、少し寝てもらいました」
「・・・何の用だ」
「実は我国の皇女アリス・ガルガンティスが行方不明になっておりまして。
国境付近で行方不明に・・・おてんばなもので」
「皇女?なぜこの国に?」
「それは本人にしかわからないのですが。・・・その反応ですと知らないようですね」
「知らんな」
アデレイドはつっけんどんに言い返した。
アロンドラはその態度を見て、小さなため息をついた。
「そうですか・・・失礼しました」
アロンドラは丁寧にお辞儀をするとまたずしずしと踵を返し、城を出ようとした。
その背中に向けてアデレイドは突然刀で切りつけようとした。
危険を察知したアロンドラは大きく飛び上がり攻撃を回避した。
「何をするんですか!危ないなぁ!」
アロンドラは鼻息を荒くアデレイドを睨んだ。
「ガルガンティスの将軍・・・面白いじゃないか」
アデレイドは不敵な笑みを浮かべた。
その瞳は怪しく紫色に輝き始めた。
「なんなんですか!もう!」
アロンドラはどすどすと地団太を踏んだ。
アデレイドはその姿を見ながら舌なめずりをした。
「この国は戦いに飢えた獣しかいないんだ。お前のような異物が混入してくると排除したくなるのさ」
アデレイドの周りに不気味なオーラが現れた。
アロンドラは異様な空気を感じ戦闘態勢に入った。
「嫌な空気だなぁ。危険な香りがする」
アデレイドは刀を縦にして、自分の顔を映しながらアロンドラに対して不敵な笑みを投げた。
「ふふふ・・・楽しませてもらうぞ。」
「僕が勝ったら一緒にアリス君を探すの協力してもらいますよ!」

決着

アロンドラとアデレイドの戦いは一進一退の攻防が続いた。
アデレイドの部下たちは武器を構えたまま
二人の戦いに手を出すことは出来ず静観している。
アロンドラの怪力による一撃とタフさ、
アデレイドの技の鋭さと身のこなしの軽さは
お互いの不足を補完するかのように
激しい戦いを演出していた。
「はははは!いいぞ玄武!まだまだ私を楽しませろ!」
「全くうるさいなぁ、僕はこんなことしている暇なんてないのに!」
アロンドラはしかめっ面で両手を上げて怒り叫んだ。
アデレイドは隙ありとばかりにアロンドラの脇に飛び込んだ。
アデレイドの一撃がアランドラの脇に命中したかと思いきや、
アロンドラは逆側の腕でしっかりと攻撃を抑え、
もう片方の手で持っている巨斧をアデレイドに振り当てた。
アデレイドはアロンドラの強力な戦斧攻撃を受け、
城壁に叩きつけられた。
「くぅっ・・・」
アロンドラはふんふん鼻息を鳴らしながら叫んだ。
「どうだ!僕は強いだろ!もうアリス君を探しに行くよ!」

しばらくするとアデレイドはガラガラと瓦礫をかき分け立ち上がった。
「はははは・・・久々にしびれる戦いだ・・・」
アデレイドの目が怪しく光りはじめた。
アロンドラはアデレイドの様子に異変を感じ警戒した。
「?・・・なんだこの嫌な感じ・・・」
アデレイドの全身に黒いオーラが纏い始めた。
アデレイドの部下たちがざわざわとどよめきだした。
(アデレイド様・・・まさか・・・おやめ下さい!)
「え・・・?なになに?」
アロンドラはアデレイドの部下たちの動揺に気づいた。
「ふふふ・・・玄武・・・本気で行くぞ・・・
奥義・・・黒武神衣・・・」
アデレイドを纏っていた黒いオーラがアデレイドの体に収束していく。
「こぉぉぉぉ・・・・」
アデレイドは口から乾いた咆哮のような音を出し、その咆哮は次第に大きくなっていった。
しばらくするとアデレイドの肉体が黒く変色した。

「・・・なんて強いオーラだ」
アロンドラは一目見て空気がかわったのを感じた。
アロンドラはアデレイドをじっと見つめていたが
アデレイドの腕が一瞬動くとアロンドラの視界から消えた。
「えっ?」
気が付くとアデレイドはアロンドラの右に移動しており、
アロンドラの脇腹めがけて強力な斬撃を打ち込んだ。
「ぐっ・・・あああああ!」
大きく吹き飛ばされたアロンドラに追随してアデレイドは
さらなる攻撃を加えた。
「がっ・・・うあっ・・・ああああっ!」
吹き飛ばされて宙を舞うアロンドラに対してアデレイドは容赦ない攻撃を加えた。
「あああああああっ!」
アデレイドは持っていた黒刀を投げ捨て素手でアロンドラを容赦なく殴り続けた。
「ぐっ・・・くあっ・・・うあ・・・あ・・・おっ・・・がはっ・・・」
アデレイドの表情は無表情で眉一つ動かさない。
「このっ!」
アロンドラは大きな手でアデレイドの腹を殴り返したがアデレイドの体は鉄のように固い。
「な・・・なんだこれ・・・」
アデレイドはアロンドラの握り拳を弾き飛ばし、強烈に蹴りつけた。
「ぐはっ・・・ああああっ」
アデレイドの蹴りを受けたアロンドラに突っ込まれた城壁はガラガラと音を立てて崩れた。

アロンドラはふらふらと起き上がり立膝の状態で瓦礫の中から顔を出した。
「はあっ・・・はあっ・・・なんて強さだ・・・速さも強さもさっきまでは段違いだ・・・ぐっ」
アロンドラはアデレイドに受けた攻撃個所を手で抑えた。
「まずいな・・・ダメージが大きい・・・っつ、まずい!」
アロンドラは油断していた。
追撃してくると思われたアデレイドの姿を急いで探したがアデレイドの姿がない。
「あれっ?」
少し離れたところでアデレイドがアデレイドの部下を切りつけていた。
(おやめください!アデレイド様!・・・ぎゃあああ)
(今のアデレイド様は何も聞こえない!急いで逃げるんだぁ!・・・ぎゃあああ)
「な・・・なんてこと・・・」
アロンドラは瞬時に悟った。
今のアデレイドはバーサク状態になっており、完全な戦闘マシーンとなっていることに。
「参ったな・・・今の僕じゃちょっと勝てない・・・」
アロンドラは崩れた城壁から城外に飛び出し逃走を試みた。
「くっ・・・なんてことだ・・・こんな強い奴がいたなんて・・・」
城の中からはアデレイドの部下の叫び声が聞こえていた。

◆ ◆ ◆

(アデレイド様!)
暴れ続けているアデレイドに巨躯の騎士が掴みかかり、
アデレイドの耳元で大きな声を張り上げた。
アデレイドは我に変えり、黒い肌が少しずつ通常の褐色に戻っていった。
「む・・・お前か・・・」
アデレイドは周り倒れている騎士を見渡し状況を理解した。
「ふん・・・逃げられたか・・・」
(アデレイド様・・・その技は自制が効かぬため使われぬほうがよろしいぞ)
「ふふふ・・・いつもお前に止められる。
おい残った者で息のある者を介抱しろ。」
アデレイドは自分のボロボロになった姿をさすりながら笑った。
「おい、アストマ全土の急襲隊全員に通達しろ。
ガルガンティスの玄武に懸賞金をかける。まだ国内にいる。
あと・・・ガルガンティスの皇女の所在にも懸賞金をかけろ。
おそらくほかの隊の隊長が監禁しているのだろう・・・」