World Chronicle / Battle Record 016

ベルナルダvsパトリシア

ベルナルダベルナルダ・ベラ
VS
パトリシアパトリシア・ウベダ

エルドリア王国 兵士訓練場にて 王国剣技教官ベルナルダ・ベラは新しく入隊した新米兵士たちに 剣技の指導を行っていた。 ベラ「そうよん。もっと腰を落としなさい。 そうそう腰を落とせば重心が下がるわん。 1対1の死闘では1歩前に出ることができる騎士が勝利するわん」 (はい。教官…

Compiled Battle Record

導入と決着

戦闘記録 016

導入

エルドリア王国
兵士訓練場にて

王国剣技教官ベルナルダ・ベラは新しく入隊した新米兵士たちに
剣技の指導を行っていた。
ベラ「そうよん。もっと腰を落としなさい。
  そうそう腰を落とせば重心が下がるわん。
  1対1の死闘では1歩前に出ることができる騎士が勝利するわん」
(はい。教官!)
ベラは新米兵士の意気揚々とした反応に嬉しくなり声が大きくなった。
ベラ「その意気よん!自分の中で訓練のモチベーションを上げることが重要よん。
  誰にも負けない!って思える必殺技とか訓練とは別に磨き上げておくことをお勧めするわん」
(はい!)

その時、訓練場の扉が大きく開かれた。
最強の傭兵と噂されるパトリシア・ウベダが入ってきた。
新米兵士たちは縮み上がった。
新米兵士たちの大半とパトリシアの入隊時期はほぼ同じ。
しかし見習いの新米として入隊した彼らと、
最凶の傭兵として幹部にスカウトされたパトリシアとは体付きも覇気も比べ物にならなかった。
パトリシアは訓練場の端っこで剣技訓練をしている
ベラと新米兵士たちをじろりと睨んだ後、無言で
兵士訓練場の奥にある兵器庫に進んでいった。
何かガサゴソと音が聞こえるので武器を漁っているようだ。

(パトリシアさんだ・・・怖いなぁ・・・)
ベラは意気消沈した新米兵士たちに気を遣った。
ベラ「気にしないのよん。誰でも未熟な時期はあるわん。
   でも・・・あんなに威圧する必要ないのに
   嫌な奴だわん・・・」
ベラは少しずつムカムカしてきた。
ベラ「そういえば王様と幹部たちが引き連れて来た
   あの傭兵とお話したことなかったわねん・・・
   ちょっと行ってくるわねん」
(ベラ教官・・・大丈夫ですか?)
ベラ「私も幹部級の上位騎士なのよん?ともに戦う同僚に挨拶しないのはおかしいわん」
ベラは心配そうに見つめる新米兵士の視線を背負い、武器庫の中に入っていった。

武器庫ではパトリシアが大型のソードを漁っていた。
ベラ「はじめましてん」
ベラはパトリシアに声をかけた。
パトリシア「・・・」
ベラ「はじめましてん!!!」
パトリシア「・・・聞こえている」
ベラ「だったらお返事してくれもいいじゃないのん?
   まだお話したことなかったわねん」
パトリシア「必要か・・・?」
ベラは目の前で背中を向けたままのデカい灰色ボディースーツの赤髪が
自分を無視してモソモソ探し物をしている光景にだんだんだんだん苛立ってきた。
ベラ「ねん!」
パトリシア「なんだ・・・」
ベラ「私はベルナルダ・ベラよん。この国の剣技教官で幹部でもあるわん。
   あなたは強い傭兵と聞いているわん。ともに共通の敵と戦うこともある身・・・
   仲良くしましょうよん・・・」
パトリシア「私は弱いものに興味はない・・・」

ぶちっ、ベラの血管が切れた

ベラ「なんて失礼な奴なのん!ゆるせないわん!エルドリア王国の剣技教官として
   何十人もの凄腕騎士を生み出した私に対して"弱い"???
   勝負よん!今から外の訓練場に来なさい!!!あなたの実力試してあげるわん!」
パトリシア「お前・・・そのしゃべりかたは何とかならないのか?」

ぶちぶちぶちっ

ベラ「なんなのん!このしゃべり方が変だというのん!?ゆるせないわん!
   来なさい!徹底的に指導してあげるわん!」
パトリシア「やれやれ・・・うるさい奴だ・・・」
ベラ「XXXん!XXXXXXXXなん!XXXXXXXのよん!」
ヒステリ起こしすぎて何を言っているのかわからない。

ベラとパトリシアはお互いの実力を測る戦いをすることになった。

決着

オリハルト城訓練場
ベラ「これを捌けるかしら!?」
ベラはレイピアを水平に構え、パトリシアに向けて突っ込んだ。
パトリシアは無表情のまま腕組みをしている。
ベラの素早い攻撃を何事もなかったかのように躱すと同時に
パトリシアは衝撃波を纏った強力な一撃をベラに向けて放った。
その一撃はベラの横腹に命中してベラは吹っ飛ばされた。
ベラ「きゃぁぁぁっっ!・・・くっ・・・」
ベラはよろよろと立ち上がりパトリシアを見つめた。
パトリシア「剣技教官かなにかは知らないが、私の相手ではない・・・
  私は立場的にもめ事を起こしたくないのだ」
ベラはにやりと笑った後、ぱんぱん!と自分の顔を何度か叩いてパトリシアを睨んだ。
ベラ「オッケーよん・・・。油断したらやられる・・・本気を出すわよん」
パトリシアは呆れたかのように小さくため息をついた。
ベラ「この動きについてこれるかしら・・・」
パトリシアはベラの異変に気付いて腕組みを解き剣を構えた。
パトリシア「なんだ・・・?一瞬奴の姿が一回り小さく見えた・・・」
ベラは二本のレイピアを垂直に立てたまま物凄いスピードで向かってきた。
パトリシア「変わった構えだ・・・むっ!」
ベラの二本のレイピアは垂直の影を残したまま目にもとまらぬスピードで
数えきれえないほどの水平の突きを繰り出してきた。
視界に移る垂直のレイピアに集中力を奪われたため、
パトリシアは水平の突きのすべてを受けきることが出来なかった。
パトリシア「くうううぅぅ!がっ・・・」
パトリシアは何撃かダメージを受け膝をついてベラを睨んだ。
パトリシア「・・・不思議な動きだ・・・」
ベラは息を切らしながらパトリシアに言い放った。
ベラ「これでもまだ相手として不足かしらん!?」

◆ ◆ ◆

二人の決闘が始まり小一時間が経過した。
ベラもパトリシアもなかなか決め手にかけず勝負は停滞していた。
ベラの姿はパトリシアの衝撃波により、
パトリシアの姿はベラの小さな連打により、お互いの装いは損傷していた。
ベラはボロボロの姿が嫌いなのか、服を脱いでしまった。
ベラ「なんて重い攻撃なのん・・・油断したら一瞬で負けちゃうわん」
パトリシア「なんと素早い攻撃か・・・ダメージは少ないが数が多い」
ベラもパトリシアもお互いの出方を探っていた。
その戦いを心配そうに見届ける心配騎士たちも生唾を飲んだ。

その時、騎士団長ソニアの声が聞こえた。
ソニア「おいパトリシア!いるか!」
パトリシアはその声にびっくりし反応した。
パトリシア「はっ。ここに」
ソニアはボロボロのパトリシアとベラを見てしかめっ面をした。
ソニア「何をしているんだ?ベラ・・・パトリシア・・・」
ベラ「だんちょん。ちょっとこれは・・・」
パトリシア「・・・この女が・・・」
ベラ「ちょっとん!」
ソニア「パトリシア・・・あーっ・・・ん、なんでもない」
パトリシア「な?・・・ちょ、ちょっと・・・」
ソニア「そんな姿で今から任務に参加されてもな」
パトリシア「私は大丈夫ですが」
ソニア「今日良い。休め・・・」
ベラ「だんちょん・・・私疲れたわん・・・」
ソニア「知らん。どうでもいいが・・・お前ら、剣の無駄振りはやめておけよ」
ソニアはそう言って訓練場を出ていった。

ボロボロのパトリシアとベラは立ち尽くしていた。
ベラ「パトリシアちゃん・・・」
パトリシア「・・・お前のせいで散々だ・・・」
ベラ「なっ?なんでよん!もとわと言えばあなたが!私を弱いといったのよん!」
パトリシア「・・・そんなこと言ったか?」
ベラ「はぁ?なんなのん?だからこうやって戦かったんでしょん!?」
パトリシア「・・・」
ベラ「で?どうなのん?私は?」
パトリシア「・・・まあ・・・足手まといにはならないだろうな・・・」
ベラ「あ、あなた・・素直じゃないわねん・・・まあいいわん・・・
   共にエルドリアで戦う者同士頑張りましょん」
ベラは手をパトリシアに差し出すとパトリシアはぱんと手のひらを叩いた。
パトリシア「・・・ベラ・・・服着ろ・・・私も着替える」
ベラは真剣に見つめるパトリシアの表情にキュンとした。
ベラ「そ・・・そうするわん・・・(どきどき)」
パトリシアは後姿を見せながらゆっくりと詰所にむけて歩き始めた。

ベラはしばらくその背中を見ながらはっと気づいて叫んだ。
ベラ「ちょっと!パトリシアちゃん!・・・私のほうが上司なのよん!?」