World Chronicle / Battle Record 027

三つ巴の湖上戦

マルガマルガ・パーペンロート
VS
サイヤサイヤ・カイヴァント
VS
ルカルカ・ファブリツィア

【アルテリア大陸でもっとも大きな湖であるワシロナ湖の 中心に位置するアームストン王国ロマヌム半島から離れた沖合にて】 軍国アストマのマルガ・パーペンロートの遊撃隊と アームストン王国のサイヤ・カイヴァントがバトルを繰り広げていた。 「サイヤ!久しぶりだな!アームストンに拠点…

Compiled Battle Record

導入と決着

戦闘記録 027

導入

【アルテリア大陸でもっとも大きな湖であるワシロナ湖の
中心に位置するアームストン王国ロマヌム半島から離れた沖合にて】

軍国アストマのマルガ・パーペンロートの遊撃隊と
アームストン王国のサイヤ・カイヴァントがバトルを繰り広げていた。
「サイヤ!久しぶりだな!アームストンに拠点が欲しくてな。来てやったぞ」
(サイヤ様!アストマのマルガが海上より攻めてきました!迎え撃ちます)
「マルガ・・・久しぶりね。無政府国家のバイキングめ・・・。
ふふふ・・・泳いで帰ってもらうわよ・・・」
サイヤは帆船1艘を母船から出艇させると自ら飛び乗った。
その様子を見てマルガは部下に指示を出した。
「お、サイヤが出てきたか・・・。おいお前ら船を出せ。」
(はい!マルガ様!出艇させます!)
海の真ん中で両陣営の帆船が距離を近づけた。

「サイヤ・・・奇遇だな。アームストンの大公とこんな海上で出会うとは」
「しらじらしいわねマルガ・・・。コロシアムの開催に乗じて何をするつもりかしらね」
「まぁね。あたしらは寂しがりやだからね・・・相手してくれよ」
「私は忙しいからそんな暇じゃないわ。すぐに帰ってもらうわよ」
マルガは刀を抜いて鋭い眼光でサイヤを睨みつけた。
その気迫に呼応するようにサイヤも刀を構えた。
しばらく緊迫した時間が経過した。

(な、なんだ!あれは!)
マルガとサイヤの部隊が同時に同じ方向を向いた。
マルガとサイヤの部隊のお互いの45度の方角に
別の大型船が近づいていることに気が付いた。
「なんだ?」
「なにかしら?」
その大型船から緑の影が上空からこちらに向かって旋廻してきた。
「あれは・・・」
「人ね・・・」
その影はサイヤ側の船に着地するとゆっくりと立ち上がった。
銀髪の緑のボディスーツに包まれた褐色の女性だ。
「なんだ貴様は?」
「・・・」
褐色の女性はゆっくりと話し始めた。
「海は凪いでいるのにお前達は騒がしいな・・・。
私はガルガンティス天位十将軍のルカ・ファブリツィアという」
「ガルガンティス?」
マルガとサイヤが同時に言葉を発した。
「私は天帝の命により皇女アリス・ガルガンティスを探している。
心当たりはないか?」
「ここまで空気の読めない奴がいるとは」
マルガは嫌味を含んだ笑みを浮かべた。
「知らないわね。この状況見てわからない?」
サイヤはルカを睨んだ。
「ではアリス・ガルガンティスの情報はあるか?アストマの国境沿いで行方不明となっている」
「知らないな」
ルカはマルガの母船の方向を見た。
「あれはお前の船か?」
「だったらなんだ」
「我が国のアリス・ガルガンティスはワシロナ湖から船で拉致された可能性を言われている。
軍国アストマの海賊仲間で誘拐する可能性のある奴はいないか?」
「私は海賊じゃないぞ。決めつけるな。お前・・・これ以上邪魔すると容赦しないぞ」
マルガはルカに対して攻撃の構えを取った。
「戦いの邪魔しないでもらえる?」
サイヤもルカに対して刀を向けた。
「お前はアームストンか?ガルガンティスとアームストンは同盟国だ。」
「わかっているわよ。ただ、私あなたの素性、知らないの。ただの失礼な奴よ」
マルガはにやりと笑って叫んだ。
「サイヤ!この世間知らずを含めてお前と私で三つ巴だ!
最後まで立っている勝者が一人!シンプルで良い!行くぞ」
「ふん。わけのわからない状況になってきたけどいいわ。二人ともなぎ倒してあげるわ」
「私は混沌。いかなる理由があろうとも向けられた刃には制裁で応えよう。天帝の名のもとに。」
「ほざけ!」「笑わせるわ!」

決着

マルガとルカ、そしてサイヤの3人は
お互いの様子を伺っていた。
しばらく微動だにしなかった後、
マルガとサイヤはルカに攻撃を仕掛けた。
「サイヤ!気が合うな!」
「あなたとの勝負をつけなきゃね!世間知らずには退場してもらうわ!」
ルカは腰を深く落とし、
両サイドから距離を詰めてくるマルガとサイヤを鋭く見据えた。
「ほう・・・二人がかりか・・・いいだろう・・・」
ルカは大きく飛び上がった。
「上か!」
「のがさないわよ!」
マルガとサイヤの二人は上空を見上げた。
ルカは剣の角度を変え太陽を反射させた。
「ちっ!」
マルガは瞬時に顔を背けルカに対して距離をとった。
「くっ!」
サイヤは太陽光を浴び目が眩んだ。
ルカは上空からその様子を瞬時に確認し、
サイヤめがけて急降下した。
ルカの目にもとまらぬ旋回と急降下からの強力な斬撃が
サイヤの脇腹にヒットした。
「ああっ!」
サイヤは後方に吹き飛ばされ甲板に倒れこんだ。
「ちっ!私もいるぞ!」
マルガは大剣を振り下ろし衝撃波を巻き込んだ斬撃を繰り出した。
ルカはマルガの大剣を受け止めたが衝撃の余波がルカの着衣を一部破いた。
「む・・・なかなかの力・・・」
「ほざけ!」
マルガは力でルカを押し付けようと両手で体重をかけた。
「く・・・」
ルカの足は甲板の上板を裂くほどにめり込んだ。
サイヤがむくりと起き上がりその様子を確認するとルカめがけて突進した。
「よくもやってくれたわね!」
近づいてくるサイヤに気づきマルガは叫んだ。
「サイヤ!邪魔するな!私の獲物だ!」
そのやり取りの瞬間、ルカはマルガの剣を左に受け流した。
「くっ!」
力を入れていたマルガはそのまま甲板を真っ二つにする勢いで切りつけた。
ルカは隙だらけのマルガに強力な一撃を与え、足蹴にした。
「くあっ!」
マルガは吹き飛ばされ船壁に衝突した。
「え?」
あっけにとられたサイヤの腹にルカは再び強力なけりを入れた。
「ぐふっ!」
サイヤはマルガの反対側の船壁に叩きつけられた。
マルガとサイヤはよろよろと立ち上がった。
「ちっ・・・」
「はあ・・・はあ・・・」
ルカは無表情のままマルガとサイヤを見つめている。
◆ ◆ ◆
サイヤとマルガはバラバラにルカに向かっていくが
ルカは無表情のままその攻撃を捌いていく。
「やああああああ!」
サイヤの攻撃をルカが躱す。ルカがサイヤの足を切りつけた。
「きゃっ!」
サイヤは立膝をついてルカを睨みつけた。
「くっ・・・」
「こっちだ!」
マルガがルカの後ろに回り込み刀を横一線に振り切ったがルカは高くジャンプして
マルガの顔面を蹴りつけた。
「がっ」
マルガはその場にしりもちをついた。
「くそがっ」
マルガはすぐに立ち上がった。
ルカはゆっくりと口を開いた。
「アリス・ガルガンティスは知らないんだな?
・・・ならば私はお前たちと戦う理由もない。
もう行くぞ・・・」
ルカは背中を向けたがマルガとサイヤは声をかけた。
「ふざけるな!まだ終わっていないぞ!」
「そうよ!ここまでコケにされて黙っていられないわ!」
もう一度ルカは振り返りマルガとサイヤを睨みつけた。
「・・・ならばさっさと終わらせよう」
ルカの体は光を放ち頭上に光輪が浮かんだ。
「なめやがって・・・ようやく本気ってか?」
マルガはいら立ちを抑えられない。
「ふん・・・いいわよ。やってやろうじゃない」
サイヤは動揺を抑えられない表情をした。
「行くぞ・・・」
ルカは今までよりも素早いスピードでマルガとサイヤへの距離を詰めた。
「はああああああ!」
「やああああ!」
ルカはマルガとサイヤの猛攻撃をすべて防御した。
「これで終わりだ・・・」
ルカはサイヤの剣を弾き飛ばすと無数の斬撃を加えた。
「いやあああああああ!」
サイヤはその場に倒れた。
「くそっ!」
マルガが放った渾身の一撃はルカにかわされ地面に刺さった。
地面に刺さったマルガの剣を足で抑えたままルカはマルガにサイヤと同じような猛攻撃を加えた。
「があああああああっ!」
マルガはその場に膝をついた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
ルカは倒れたサイヤと膝をついたマルガを確認するとゆっくりと口を開いた。
「もう行くぞ・・・私はアリスを探しにいく・・・」
マルガは歯ぎしりをしながらルカの後ろ姿を睨みつけた。
「くそっ・・・ガルガンティスのルカ・・・この屈辱忘れはしない」